セスジニシキガメの卵黄性体腔炎
カメの診察と聞くと、まず最初に「甲羅をどうするのか」という疑問が頭に浮かぶかと思います。全身を覆う硬い甲羅、診察時には隙間を探して検査を行いますが、必要となった場合には「甲羅を切る」という選択肢を取ることもあります。
今回ご紹介するのは、割れた卵が原因で手術が必要になったセスジニシキガメさんです。
1ヶ月前から元気食欲が無いとのことで来院、レントゲンを撮ると卵がたくさん確認され、いくつかは割れているように見えました。

すぐに内科治療を開始したものの改善は認めず、数日後に手術を実施することになりました。

甲羅を切ってお腹を開けると、本来卵管内にあるべき卵がお腹の中に存在、卵も変色し腐敗が進んでいました。
卵と卵巣、卵管を全て取り出し、お腹を洗って閉じました。
甲羅の閉腹にはパテを使用しています。

取れた卵は、全部で7個。
病理検査では「卵黄性体腔炎に伴う漿膜炎」と診断されました。

術後は2週間ほどで元気になり、ご飯もしっかり食べるようになってくれました。





カメさんでも卵関係や消化管、結石などでお腹を開けないと命に関わる状況というのは珍しくありません。
いざという時に手術までやってもらえるのか、かかりつけさんとご相談しておくのも一つかもしれませんね。
2025年08月03日 16:15