京都市伏見区京町 エキゾチックアニマルの専門病院 京都小動物クリニック

2025年1月オープン ウサギ、トリ、爬虫類を中心としたエキゾチックアニマルの専門病院

お知らせ

フトアゴヒゲトカゲの多発性皮膚腫瘤

今回ご紹介するのは皮膚にかさぶたが多発したとの主訴でご来院されたフトアゴヒゲトカゲさん。
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見た目より、フトアゴさんに多い皮膚の感染性疾患と仮診断、抗菌薬・抗真菌薬・外用療法を組み合わせた治療を開始しました。
治療は長期間続きましたが、徐々に皮膚の腫瘤が軽減していきました。
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また、その後の糞便検査でコクシジウムなどの寄生虫も確認されたため、駆虫薬による治療も実施しました。
現在は健康状態も安定し、体重もぐんぐん増えてくれています。
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小さな変化を早期に見つけ、適切な処置を行うことが爬虫類医療においても重要であると改めて感じさせる症例でした。
2025年10月28日 16:50

ギリシャリクガメの膀胱結石

リクガメさんは膀胱結石ができやすいことで知られており、その多くがケヅメリクガメ、次いでインドホシガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメがなりやすいとされています。
また、膀胱結石は食餌で出来やすさが変わると言われていて、国内の動物園でも実験されていますが、まだまだ完全に予防するのは難しいです。

今回ご紹介するのは、推定28歳という比較的高齢のギリシャリクガメさん。
食欲が無くなり赤いおしっこが出たとのことで来院されました。
レントゲン検査の結果、お腹の中に巨大な結石を確認。
血液検査で腎障害も認められたため、開腹手術を実施することとなりました。
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全身麻酔をかけてお腹を開けると、予想通り大きな結石が膀胱の中に張り付いていました。
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膀胱を切って石を取り出し、膀胱と甲羅を閉じて無事手術は終了しました。
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術後数日で食欲が戻り、大好きだというもやしをすぐに完食するまでに回復してくれました。
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28歳と言えば当院のスタッフよりも年長のカメさんでしたが、無事元気になってくれてホッとしました。
まだまだたくさんご飯を食べて元気に過ごしてくれることを願っています。
2025年09月25日 18:24

セスジニシキガメの卵黄性体腔炎

カメの診察と聞くと、まず最初に「甲羅をどうするのか」という疑問が頭に浮かぶかと思います。
全身を覆う硬い甲羅、診察時には隙間を探して検査を行いますが、必要となった場合には「甲羅を切る」という選択肢を取ることもあります。
今回ご紹介するのは、割れた卵が原因で手術が必要になったセスジニシキガメさんです。
1ヶ月前から元気食欲が無いとのことで来院、レントゲンを撮ると卵がたくさん確認され、いくつかは割れているように見えました。
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すぐに内科治療を開始したものの改善は認めず、数日後に手術を実施することになりました。
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甲羅を切ってお腹を開けると、本来卵管内にあるべき卵がお腹の中に存在、卵も変色し腐敗が進んでいました。
卵と卵巣、卵管を全て取り出し、お腹を洗って閉じました。
甲羅の閉腹にはパテを使用しています。
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取れた卵は、全部で7個。
病理検査では「卵黄性体腔炎に伴う漿膜炎」と診断されました。
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術後は2週間ほどで元気になり、ご飯もしっかり食べるようになってくれました。
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カメさんでも卵関係や消化管、結石などでお腹を開けないと命に関わる状況というのは珍しくありません。
いざという時に手術までやってもらえるのか、かかりつけさんとご相談しておくのも一つかもしれませんね。
 
2025年08月03日 16:15

オウカンミカドヤモリの卵巣捻転

ヤモリのようにぴょこぴょこ動く動物達。
体の中身は回転しないのか気になりませんか?
実は生き物の体の中の臓器は、思ったより簡単に捻じれてしまいます。
今回は卵巣が捻じれてしまったオウカンミカドヤモリさんの紹介です。
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実はこの子、当院院長宅の子なんです。
ある日自宅でいつも通り一緒に遊んでいると、不自然にお腹が膨れていることに気が付きました。
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元気や食欲などの一般状態は問題ありませんでしたが、病院に連れて行き検査をしてみると異常に腫れた卵巣を確認。
緊急手術となりました。
全身麻酔をかけてお腹を開けると、ぐるぐるに捻じれてぱんぱんに膨らんだ卵巣を確認しました。
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捻じれた卵巣を切除し、無事手術は終了。
術後はお腹もすっきりと凹み、元気に過ごしてくれています。
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自分の家の子の手術はいつも以上に緊張しましたが、術後もけろっとしている様子を見ると本当に頑張ってくれて良かったと思いました。
何より、あの時気づかなければと思うとぞっとしますね。
生殖器系の病気は発見が難しく、対処が遅れると命に関わる可能性も高いです。
普段と違うという些細な違和感が、大事な家族を守ることに繋がるかもしれません。
お気軽にご相談くださいね。
2025年07月29日 17:17

ヒョウモントカゲモドキの腹壁ヘルニア

爬虫類を飼育する際、床材に何を使うのが良いのか迷いますよね。
ヒョウモントカゲモドキさんは砂漠に生息する生き物の為、ケージに砂を入れている人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな床材の砂でトラブルが起こってしまった例をご紹介します。
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この子はお腹の腫れを主訴に来院されました。
画像検査でこの腫れは糞塊であることが予想されたため、開腹手術を行うことになりました。
全身麻酔をかけてお腹を開けると、腹筋が破れて巨大な腸管が飛び出しており、中には大量の砂が詰まっていました。
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詰まっていた砂は全て取り出し、開いていた腹筋の穴を縫い合わせて手術終了となりました。
術後は食欲排便共に問題なく、1ヶ月程で通院も終了となりました。
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何気なく選んでいる床材も、時にはこのように大きなトラブルを引き起こす場合があります。
飼育環境はメリットデメリットを踏まえて、その子に合ったものを探してあげてくださいね。
2025年07月17日 10:41

ヒョウモントカゲモドキの卵胞鬱滞

春から夏にかけて、多くの爬虫類は繁殖シーズンに入ります。
ヒョウモントカゲモドキさんは通常、1回に2個の卵を数週間~1ヶ月毎に年数回産卵します。
繁殖トラブルは命に直結することも多い為、産卵シーズンの女の子はより慎重に様子を見ることをお勧めいたします。

今回ご紹介するのは、まだ成長しきっていない身体に大きな卵胞が出来てしまい、ご飯が食べられなくなってしまったレオパさんです。
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検査の結果、左右非対称に大きな卵胞が形成されており、その圧迫によりご飯が食べられなくなっていることが予想されました。
体格も細く状態が心配であった為、早急に手術に臨むことになりました。

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手術では、無事に身体を圧迫していた卵巣・卵管を摘出することができました。
退院後はご飯に飛びついてくるようになってくれたそうです。

哺乳類同様、鳥類爬虫類でも出産・産卵は命懸けになることが多いです。
お腹が膨れていて食べない等、少しでも気になる様子があれば早めにご相談ください。
2025年06月28日 16:34

京都小動物クリニック

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