コザクラインコのクリプトスポリジウム症
今回は、定期健康診断で来院したコザクラインコさんの症例をご紹介します。
飼い主さんによると「特に症状はない」とのことでしたが、小鳥は体が小さく、病気が進行しても外から気づきにくいことがあります。
そのため、当院では健康診断でも便検査や体格チェックを丁寧に行っています。
今回の子は体重も安定しており、外見上はとても元気でした。
しかし糞便の特殊染色検査で、クリプトスポリジウムという原虫が検出されました。

クリプトスポリジウムは、症状がほとんど出ない“キャリア状態”でも存在することがあり、ストレスや免疫力の低下をきっかけに急に下痢や体重減少を引き起こすことがあります。
よって早期発見がとても大切なのですが、この寄生虫はとても小さく発見が困難な為、複数回の便検査が推奨されます。
予防としてはケージの熱湯消毒が効果的で、床材のこまめな交換や、餌入れ・水入れの洗浄も重要になります。
クリプトスポリジウムは特効薬が乏しい寄生体ですが、症状が出る前に見つけて環境管理と予防を徹底することで、健康を長く保つことができます。
小鳥さんは不調を隠すことが多いため、症状がなくても
・定期的な便検査
・体重チェック
が病気の早期発見にとても役立ちます。
いつもと同じように見えても、健康診断で新しい発見があることがあります。
気になることがあればお気軽にご相談ください。
2025年11月16日 17:52
