京都市伏見区京町 エキゾチックアニマルの専門病院 京都小動物クリニック

2025年1月オープン ウサギ、トリ、爬虫類を中心としたエキゾチックアニマルの専門病院

2025年の記事:お知らせ

コザクラインコのクリプトスポリジウム症

今回は、定期健康診断で来院したコザクラインコさんの症例をご紹介します。

飼い主さんによると「特に症状はない」とのことでしたが、小鳥は体が小さく、病気が進行しても外から気づきにくいことがあります。
そのため、当院では健康診断でも便検査や体格チェックを丁寧に行っています。

今回の子は体重も安定しており、外見上はとても元気でした。
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しかし糞便の特殊染色検査で、クリプトスポリジウムという原虫が検出されました。
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クリプトスポリジウムは、症状がほとんど出ない“キャリア状態”でも存在することがあり、ストレスや免疫力の低下をきっかけに急に下痢や体重減少を引き起こすことがあります。
よって早期発見がとても大切なのですが、この寄生虫はとても小さく発見が困難な為、複数回の便検査が推奨されます。

予防としてはケージの熱湯消毒が効果的で、床材のこまめな交換や、餌入れ・水入れの洗浄も重要になります。

クリプトスポリジウムは特効薬が乏しい寄生虫ですが、症状が出る前に見つけて環境管理と予防を徹底することで、健康を長く保つことができます

小鳥さんは不調を隠すことが多いため、症状がなくても
・定期的な便検査
・体重チェック
が病気の早期発見にとても役立ちます。

いつもと同じように見えても、健康診断で新しい発見があることがあります。
気になることがあればお気軽にご相談ください。

 

2025年11月16日 17:52

12月の臨時休診および年末年始の診察について

12月7日(日)は臨時休診となります。

また、年内の診察は12月28日(日)が最終とし、年始は1月6日(火)より診察開始といたします。

ご迷惑をおかけいたしますが何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
2025年11月14日 09:25

フトアゴヒゲトカゲの多発性皮膚腫瘤

今回ご紹介するのは皮膚にかさぶたが多発したとの主訴でご来院されたフトアゴヒゲトカゲさん。
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見た目より、フトアゴさんに多い皮膚の感染性疾患と仮診断、抗菌薬・抗真菌薬・外用療法を組み合わせた治療を開始しました。
治療は長期間続きましたが、徐々に皮膚の腫瘤が軽減していきました。
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また、その後の糞便検査でコクシジウムなどの寄生虫も確認されたため、駆虫薬による治療も実施しました。
現在は健康状態も安定し、体重もぐんぐん増えてくれています。
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小さな変化を早期に見つけ、適切な処置を行うことが爬虫類医療においても重要であると改めて感じさせる症例でした。
2025年10月28日 16:50

ゴールデンハムスターの子宮平滑筋肉腫

小さなゴールデンハムスターさんでも、時には手術をしないと治らない病気になることがあります。
今回は、「お尻周りから出血している」と来院されたキンクマさんのご紹介です。
全身を触ってみたところ腹部にしこりがあることが判明、画像検査で子宮の腫瘤が疑われました。
全身麻酔をかけてお腹の中を見てみると、ぱんぱんに膨れた子宮が出てきました。
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卵巣と子宮を全て取り出したところ、その重さは体重の約1割にあたる9.4gもありました。
病理検査の結果、この腫瘤は「平滑筋肉腫」という悪性腫瘍だと診断されました。
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術後はしばらく食欲が安定せず体重も減少しましたが、2週間後には元気を取り戻してくれました。

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ハムスターさんは小さな体で大きな病気を抱えることがあり、症状が出た時にはすでに進行しているケースもあります。
体重や行動の変化、お尻周りの汚れや出血が見られたら、早めの受診をおすすめします。

2025年09月26日 09:54

ギリシャリクガメの膀胱結石

リクガメさんは膀胱結石ができやすいことで知られており、その多くがケヅメリクガメ、次いでインドホシガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメがなりやすいとされています。
また、膀胱結石は食餌で出来やすさが変わると言われていて、国内の動物園でも実験されていますが、まだまだ完全に予防するのは難しいです。

今回ご紹介するのは、推定28歳という比較的高齢のギリシャリクガメさん。
食欲が無くなり赤いおしっこが出たとのことで来院されました。
レントゲン検査の結果、お腹の中に巨大な結石を確認。
血液検査で腎障害も認められたため、開腹手術を実施することとなりました。
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全身麻酔をかけてお腹を開けると、予想通り大きな結石が膀胱の中に張り付いていました。
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膀胱を切って石を取り出し、膀胱と甲羅を閉じて無事手術は終了しました。
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術後数日で食欲が戻り、大好きだというもやしをすぐに完食するまでに回復してくれました。
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28歳と言えば当院のスタッフよりも年長のカメさんでしたが、無事元気になってくれてホッとしました。
まだまだたくさんご飯を食べて元気に過ごしてくれることを願っています。
2025年09月25日 18:24

ミーアキャットの子宮平滑筋肉腫

今回ご紹介するのは、お腹の中に特大の腫瘍ができてしまったミーアキャットさんです。
以前から他院でお腹の中に腫瘤があると診断されていましたが、それが徐々にお腹が膨らんできて食欲と排便排尿が無くなったとのことで来院されました。
来院時にはお腹が大きく張っており、エコー検査で巨大な腫瘤が確認された為緊急手術を行うことになりました。

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お腹を開けると、巨大な腫瘤が出てきました。
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慎重に周囲を確認すると、腫瘤は子宮の一部だと確認できました。
卵巣と共に腫瘍を摘出することで、手術は無事に成功しました。
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術後もすぐ元気になってくれたので、数日の入院治療の後無事に退院することが出来ました。

摘出した腫瘤を検査したところ、診断は子宮平滑筋肉腫とのことでした。
幸い、手術により腫瘤は完全に取り切れており、その後の経過も良好です。

術後2週間で抜糸を行い、創部もきれいに治癒しました。体重も徐々に戻り、現在は元気に過ごしています。

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ミーアキャットさんの腫瘍はワンちゃん猫ちゃんに比べ報告が少なく、診断や治療が難しいケースもあります。
しかし、中には今回のように外科手術が有効となる場合もあり、早期発見と適切な治療が大切です。

この子はご家族の早めのご判断で無事に手術を受けることができ、元気に回復してくれました。
これからも健やかに過ごせるよう、引き続きサポートしていきます。

2025年09月04日 15:58

マメルリハの卵管蓄卵材症

鳥さんや爬虫類さんなど、卵を産む子達は「卵詰まり」を起こすことは有名かと思います。
しかし、詰まるのは綺麗な形をした卵だけではなく、卵の素材(卵材)の場合もあります。
これを「卵管蓄卵材症」と呼びます。
今回は、卵材でお腹が苦しくなってしまい、手術が必要になったマメルリハさんのご紹介です。
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この子は、吐き気と排便の停止があり来院されました。
お腹がポッコリ出ていて、レントゲン検査でお腹の中に何かあることが分かりました。
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全身麻酔をかけてお腹を開けると、卵管の中に大きな卵材が詰まってお腹を圧迫していることが分かりました。
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溜まっていた卵材と卵管を摘出し、手術は終了となりました。
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お腹に溜まった卵材は、あまり悪さをしないこともあるため発見が遅れてしまいがちです。
元気がなくなる、羽をふくらませてじっとしている、お腹がぽっこりふくらんで見える、呼吸が荒い、便が出にくい…こんなサインが出たら要注意です。
「なんだかいつもと違うな?」と感じたら、早めに病院で相談してあげてくださいね。
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※術後は元気に威嚇してくるようになりました。決して強く噛んではこないところがとても可愛いですね。
2025年08月20日 17:49

ウサギの前胸部腫瘤(リンパ腫)

多くの小動物は弱っていることを隠そうとする傾向があります。
その為、飼い主様が病気に気づいた頃にはかなり進行してしまっている、ということも珍しくありません。
今回は、健康診断で胸の中に腫瘍ができていることが発覚したウサギさんのご紹介です。
高齢になってきている為全身の検査を実施したところ、レントゲン検査で心臓陰影の拡大を確認しました。
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超音波検査を行ったところ、心臓が大きいのではなく、心臓のすぐ横に腫瘍ができていることが発覚しました。
追加検査でリンパ腫の疑いと診断されたため、治療を開始することとなりました。
マルヤマ ヒヨリ ネザーランドドワーフ=丸山 ひより ネザーランドドワーフ - 2025_07_08 10_26_24 - RadiAnt DICOM Viewer 2024.1 (64-bit
幸い、治療に対する反応は良好で、1ヶ月後には腫瘍は確認できないレベルまで小さくなってくれました。
今後も経過は要注意ではありますが、症状が出る前に治療ができたのは飼い主様の熱心な飼育の賜物だと思います。
身体の中の異常はなかなか早期発見が難しい為、定期的な健康診断がおすすめです。
2025年08月20日 16:38

セスジニシキガメの卵黄性体腔炎

カメの診察と聞くと、まず最初に「甲羅をどうするのか」という疑問が頭に浮かぶかと思います。
全身を覆う硬い甲羅、診察時には隙間を探して検査を行いますが、必要となった場合には「甲羅を切る」という選択肢を取ることもあります。
今回ご紹介するのは、割れた卵が原因で手術が必要になったセスジニシキガメさんです。
1ヶ月前から元気食欲が無いとのことで来院、レントゲンを撮ると卵がたくさん確認され、いくつかは割れているように見えました。
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すぐに内科治療を開始したものの改善は認めず、数日後に手術を実施することになりました。
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甲羅を切ってお腹を開けると、本来卵管内にあるべき卵がお腹の中に存在、卵も変色し腐敗が進んでいました。
卵と卵巣、卵管を全て取り出し、お腹を洗って閉じました。
甲羅の閉腹にはパテを使用しています。
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取れた卵は、全部で7個。
病理検査では「卵黄性体腔炎に伴う漿膜炎」と診断されました。
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術後は2週間ほどで元気になり、ご飯もしっかり食べるようになってくれました。
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カメさんでも卵関係や消化管、結石などでお腹を開けないと命に関わる状況というのは珍しくありません。
いざという時に手術までやってもらえるのか、かかりつけさんとご相談しておくのも一つかもしれませんね。
 
2025年08月03日 16:15

オウカンミカドヤモリの卵巣捻転

ヤモリのようにぴょこぴょこ動く動物達。
体の中身は回転しないのか気になりませんか?
実は生き物の体の中の臓器は、思ったより簡単に捻じれてしまいます。
今回は卵巣が捻じれてしまったオウカンミカドヤモリさんの紹介です。
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実はこの子、当院院長宅の子なんです。
ある日自宅でいつも通り一緒に遊んでいると、不自然にお腹が膨れていることに気が付きました。
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元気や食欲などの一般状態は問題ありませんでしたが、病院に連れて行き検査をしてみると異常に腫れた卵巣を確認。
緊急手術となりました。
全身麻酔をかけてお腹を開けると、ぐるぐるに捻じれてぱんぱんに膨らんだ卵巣を確認しました。
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捻じれた卵巣を切除し、無事手術は終了。
術後はお腹もすっきりと凹み、元気に過ごしてくれています。
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自分の家の子の手術はいつも以上に緊張しましたが、術後もけろっとしている様子を見ると本当に頑張ってくれて良かったと思いました。
何より、あの時気づかなければと思うとぞっとしますね。
生殖器系の病気は発見が難しく、対処が遅れると命に関わる可能性も高いです。
普段と違うという些細な違和感が、大事な家族を守ることに繋がるかもしれません。
お気軽にご相談くださいね。
2025年07月29日 17:17

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